子供の命と権利を守る活動推進協議会

熊本県青少年育成県民会議表彰式でのコメント

子どもの命と権利を守る活動推進協議会 吉村郁也副会長の表彰式でのコメントです。

私どもの活動の経緯について説明をさせて戴きます。この組織は発足後10年が経ちます。

きっかけは、今から遡ること約11年前の2011年1月、当時、私は熊本県警察本部で生活安全部長を務めていたのですが、当時の上司であった本部長から

呼ばれまして、ユニセフ協会と共同で「児童ポルノ根絶」のイベントが、熊本で、できないだろうかと相談を受けたのが始まりでした。

当時、急速な発展をとげるネット社会の中で、子どもたちの人権を将来に亘って著しく蝕む“児童ポルノの拡散”が、大きな問題となっていたのです。

このイベントは、82団体により構成された実行委員会方式で実施され、約1500人の県民が、参加されました。

参加された多くの県民の皆さんが、児童の性を商品化する卑劣な大人たちの存在と「魂の殺人」とも言われる有害画像の氾濫の実態に驚かれたのです。

当時、このような有害画像の単純所持に関する罰則を設けていなかったのは、G8の中で日本とロシアだけでしたので、法律を整備のために、熊本県でも継続

的な運動として取り組もうとのコンセンサスが生まれたのです。翌2012年に、「子どもの命と権利を守る活動推進協議会」が発足し活動を開始したのです。

その後、この10年間の活動のあゆみは、今日皆さんにお配りしました小冊子に記載されております。

この10年間で、子どもたちを取り巻く環境は大きく様変わりしました。中でも大きな影響は与えたのは、ラインやインスタグラムと言ったSNS社会の急速な発展です。

子どもたちは、画期的なコミュニケーション・ツール(道具)を手に入れた一方で、有害情報の氾濫や匿名によるいじめなど、“ネット社会の闇に潜む危険(リスク)”に晒されることとなったのです。

これらのリスクから子どもたちを守るために、大人としてどのように活動を進めて行ったら良いのかと、当協議会では、毎月の運営委員会を開催し、

熊本県ユニセフ協会の幹部をはじめ、県の暮らし安全推進課や県・市の教育委員会、PTA、ボランティア組織、警察などから、10人を超えるメンバーが集い、真剣な議論が重ねられています。

活動も大人社会だけの議論でなく、積極的に若者たちにも参加を求め、ワークショップ等を通じ彼らの声にも耳を傾けながら、“ネット社会との共生”の
在り方を考えていく活動へと大きく変化してきたのです。

全国的にもこのような活動が10年間も継続しているのは熊本だけではないでしょうか。

“ネット社会との共生”の時代の中で、子どもたちの人格形成に与える影響など、測り知れないものがありますが、

当協議会では、今後も「地域の宝である子どもたちを守っていくため」に、啓発活動を続けてまいりたいと考えております。